子どもにおやつを作ってあげよう〜カステラ〜
2021年03月10日
子どもには、美味しくて体にいいものを食べさせたいですよね。毎日の食事作りで忙しいとは思いますが、休日など、時間に余裕のあるときには、おやつ作りをしてみてはいかがでしょうか。
自分でおやつを作ると、むしろ食品添加物を入れることは難しくなりますから、シンプルな素材で作ることになります。そうなると当然、体に優しいおやつができることになります。手間のかかる分、子どもには安心して食べさせることができることになりますね。
もう一つ、おやつを手作りするといいことがあります。素材を自分で選択するので、コストの安さを追求することもできますし、質の高さを追求することもできます。また、コストと質のバランスを取ることもできるわけです。しかも、贅沢して、最高級の素材を使ったとしても、最高級の商品を買うよりは、ずっと安くできるのです。
いいことづくめのように言っているけれど、手間はかかるんでしょう? と思われているかもしれません。もちろん、出来合いのものを買ってくることに比べたら、手間はかかります。でも、上手にできたときの満足感、子どもたちがニコニコしながら食べているときの嬉しさは、格別のものです。
今回は、子どもたちにせがまれて、私がよく作っているカステラをご紹介します。
カステラは、なんと言っても、絵本『ぐりとぐら』(中川李枝子文・大村百合子絵、福音館書店)の印象が強いです。
「ぐりは、いそいで たまごを ぼーるへ ながしこむと、おさとうと いっしょに あわたてきで かきまぜて、ぎゅうにゅうと こむぎこを いれました。」
この材料を、ぐりとぐらは、バターを塗った鍋で焼くのでした。
絵本の記述でもわかるように、カステラの材料は、いたってシンプルなのです。実際に作るときも、基本は、小麦粉、砂糖、卵、牛乳、油です。ここに風味づけではちみつが入ったりするくらいです。ホットケーキのように、ベーキングパウダーさえ入りません。
想像してみてください。
『ぐりとぐら』を読み聞かせた後に、「それじゃあ、カステラを作ってみようか」と子どもに言ったら、どれほど喜ぶことでしょうか。
スペイン、ポルトガルから16世紀に長崎に伝えられたカステラは、日本独自の発展を遂げていきます。日本のカレーライスがインド料理とはかけ離れた「和食」のようになっているように、日本のカステラも「和菓子」と言えるのかもしれません。まんじゅうやようかんが主体であった江戸時代に、小麦粉、砂糖、鶏卵を使ったカステラが登場した時の人々の驚きは、現代では想像できないほどの大きさだったことでしょう。
さて、では、いよいよカステラを作ってみましょう。私が日頃、お世話になっているレシピは、『まいにち食べたい ”ごはんのような” シフォンケーキの本』(なかしましほ著、主婦と生活社)です。この中には、カステラのレシピが5種類紹介されています。プレーン、チョコ、みかん、コーヒー、酒かすです。私はプレーンばかり焼いています。
材料は、強力粉、てんさい糖、卵、豆乳、菜種油、はちみつです。私は、豆乳を、いつも冷蔵庫に入っている牛乳に置き換えています。また、菜種油もないので、うちにある油を使っています。はちみつがないときは、なしで作ってしまいます。
それから、卵を4個使うことになっていますが、生地を膨らませるのに重要な役割を果たす材料なので、少ないとうまくいきません。卵のサイズにもよるのですが、5個ないし6個使うときもあります。
まず、卵黄、砂糖、はちみつ、油、牛乳を混ぜます。
次に、冷凍庫で10分冷やしておいた卵白と卵をハンドミキサーで泡だてて、メレンゲを作ります。メレンゲがうまくできたら、もう、成功したも同然です。
卵黄生地とメレンゲを混ぜ、振るった小麦粉を混ぜ、わら半紙のような紙を敷いた型に入れて、オーブンで焼けば出来上がりです。
焼いている最中に、それはそれはたまらない、甘い香りが部屋じゅうに広がります。食べる前から、期待が高まって、それだけでハッピーになります。
たまには、チョコカステラも作りますが、これもまた、濃厚で絶品です。この『まいにち食べたい ”ごはんのような” シフォンケーキの本』は、「バターも生クリームも使わない、オーガニックなお菓子レシピ」です。タイトルどおり、毎日食べても体の負担にならないような、子どもにも安心なおやつばかりが紹介されています。
もちろん、それなりの手間はかかります。けれど、手間をかけただけの価値はありますから、無理のない程度に、頑張りすぎないで、おやつ作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
子どもと一緒にやってみるのも楽しいものです。ただし、子どもと一緒に料理をするときのポイントは、レシピ通りにうまく作れなくてもいい、くらいのゆったりとした気持ちを持つことです。そうでないと、イライラしたりして、せっかくのお休みを台無しにしてしまいます。大切なのは、子どもとの時間を楽しむことです。子どもが笑っていさえすれば、たとえカステラが膨らまなくても、そのおやつは、大成功なのです。
ぐりとぐらも、動物たちと、ニコニコしながらカステラを頬張っていましたよね。
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