子どものお腹が痛い 看護師さんに聞く「子どもの病気対処法」vol.8
2020年12月20日
上手に説明できない子どもの腹痛。
よくある訴えですが、目にみえない症状だけに、どうしたらいいか迷うことも多いのではないでしょうか。見守り方や楽になる方法を小児救急看護認定看護師さんに教えていただきました。
●腹痛の原因
子どもの腹痛で多いのは、便秘です。
他にも、急性胃腸炎や腸重積、鼠径ヘルニア、虫垂炎、心因性腹痛など、原因はさまざまあります。
●受診してほしい腹痛
下記症状が1つでもある場合は、早めに受診してください。
かかりつけ医の診療時間外なら救急を受診しましょう。
・痛みが強く、激しく泣いている(のたうち回るほどの痛みがある)
・お腹が張っている(パンパンに膨らんでいる)
・ぐったりして顔色が悪い
次に、通常の診療時間にかかりつけ医を受診してほしい腹痛です。
・うんちの中に血が混じる(血便)
・食欲がなく、元気がない
子どもが腹痛を訴えても、すぐ治ったり、食欲や元気があり顔色がよければ自宅で様子をみましょう。
●見守るポイント
腹痛の原因はいろいろあるため、時間経過による腹痛の変化をみることが大切です。
家庭で注目してほしいポイント
1 痛みの程度が強くならないか
2 機嫌が悪くないか
3 ぐったりしていないか
症状を訴えることができない乳幼児の場合は、オムツを外して、お腹の張り具合や足のつけ根、陰部に腫れがないか観察しましょう。オムツにうんちがでていれば、うんちの状態や量を確認してください。
●家庭でできるホームケア
・横向きに腰を丸めた体勢寝かせる
腰を反らす体勢は痛みが強くなるので、丸めた体勢で横になることで腹痛が軽減し楽になることがあります。
・お腹をマッサージする
横にならせ、おへそから子どもの右側から左側を通るよう、「の」の字を書くように腹部を優しくマッサージしてあげます。
このマッサージは、お腹を温め、蠕動運動を助けうんちが出やすくする効果があります。
・ホットパックをする
温めたタオルをお腹にあて、温めてあげましょう。
腹痛が和らぐだけでなく、子どもが安心することができます。
・水分を多めにとる
胃腸への刺激となり、排便やおならを促してくれる場合があります。胃腸が温まることで腹痛は和らぐので、冷たい水ではなく、常温の水か白湯を飲ませましょう。
●受診時に伝えると良いこと
いつから腹痛が始まったのか、どのようなときに痛くなったり治まったりするのか、腹痛の程度について話しましょう。
腹痛以外の症状があれば、それも伝えます。排便があった場合には、オムツを持参したり、写真を撮って伝えると診断の手助けになることがあります。
●腹痛時の食事
子どもの全身状態に合わせ、食べやすいものにします。
便秘が疑われる場合には、食物繊維が多い食品や水分を多く取るとよいでしょう。
吐き気や下痢があり胃腸炎が疑われる場合には、脂っこいものや乳製品は控えましょう。
●予防するために
規則正しい生活、十分な睡眠、排便習慣をつくることが大切です。
・バランスよい食事をして、うんちをする習慣を身につける。朝、トイレに行く時間をつくる。
・手洗いやうがいなど子どもが病気にかかりにくい環境を整える。
・心が疲れていると感じたら、好きなことをしてストレスをためないようにする。
~看護師橋本さんからのメッセージ~
うんちが出た時間や状態、量などの排便記録をつけてみましょう。子どもの体調不良時に役立つだけでなく、子どもに排便の大切さや排便習慣を教えることができますよ。
お話を伺ったのは
北九州市立八幡病院 小児救急・小児総合医療センター
小児救急看護認定看護師 橋本 優子 氏
小児救急、小児外来等を経て、現在は小児病棟で0~15歳の子どもたちと温かい笑顔で日々向き合っている。
北九州市立子どもの館にて、月1回子育て勉強会講師も務める。
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