看護師さんに聞く子どもの病気対処法!急な発熱で慌てないために 「子どもの病気対処法」vol.1
2019年02月02日
少し前まで元気に遊んでいたのに、ふと見たらぐったりしている…
触れてみると熱い…
そんな経験のある人も多いのではないでしょうか。
子どもの発熱時、落ち着いて見守れるように、観察するポイントや対応を看護師さんに教えていただきました。
○平熱を知ろう
子どもから大人まで健康なときの平均体温は、36.55~37.23度(わき下検温)。
子どもの場合はやや高めです。朝より夕方が高く、食前より食後の方が高くなります。また身長や 体重と同じように個人差があります。
元気なときから子どもの平熱を覚えておきましょう。
○何度から発熱?
安静時、37.5度以上からが発熱。
発熱とは、何らかの原因で体温を調節する中枢が刺激を受け、平熱よりも高い体温になっている状態です。大切なのは、普段の平熱と比べて高いかどうかです。
○受診してほしい発熱
≪生後3か月未満の場合≫
38度以上の熱がある。
母親からの免疫がある時期にもかかわらず発熱しているので、心配な状態です。
早めに受診してください。かかりつけ医の診療時間外なら救急を受診しましょう。
≪生後3か月以上の場合≫
38度以上の発熱以外に下記症状が1つでもある場合は、早めに受診してください。
かかりつけ医の診療時間外なら救急を受診しましょう。
・元気がなく、ぐったりしている(子どもと目が合わない、おもちゃを見ないなど)
・おっぱいやミルク、水分を飲みたがらない
・半日程度おしっこが出ない
・息をするのが苦しそう
次に、緊急度は高くないと考えられますが、かかりつけ医を受診した方がよい場合です。
発熱以外に下記症状があるときは、通常の診療時間に診察を受けましょう。
・おっぱいやミルク、水分の飲む量がいつもより少ない
・おしっこの量や回数が減ってきている
・機嫌が悪い
・眠らない
・いつもより食欲が少ない
発熱以外の症状から緊急度を判断し、受診先を決めましょう。
○あまり心配いらない発熱
発熱していても、機嫌がよく水分や食事がとれていれば、心配いりません。
発熱が持続しないか、他の症状が出現しないかに気をつけて様子をみましょう。
○自宅での見守り方
<<熱への対応>>
・熱の上がり始め
寒がったり手足が冷たい場合は、掛物をかけたり1枚多めに服を着せるなどして保温
しましょう。
・熱が上がったら
顔が赤くなり、手足が温かくなって暑がるようになったら、掛物をとったりして熱が
こもらないようにします。暑がっているのに無理に着込ませる必要はありません。
嫌がらなければ、ガーゼなどで包んだ保冷剤やビニール袋に入れた氷で体を冷やして
あげましょう。首筋、わきの下、足のつけ根を冷やすと気持ちよくなります。オムツ
の中に小さい保冷剤を入れ、足のつけ根を冷やすのも良いです。
<<食事について>>
発熱時は胃腸の働きが弱まるため食欲が低下し、嘔吐や下痢をすることがあります。食欲がない場合は、無理に食べさせる必要はありません。
ただし、脱水を起こさないように、こまめに水分補給します。最適な飲料は、経口補水液(塩分や糖分をバランスよく含む飲料)ですが、子どもが飲みやすいものを与えましょう。
<<お風呂について>>
体温が上がっている時や体が熱くなっているときは、体力の消耗を防ぐために入浴を控えるか、短時間の入浴またはシャワーにします。爽快感が得られるので無理なく清潔にしてあげましょう。
オムツの場合は、おしりが蒸れるので毎日おしりだけは洗います。
○受診時に伝えると良いこと
熱の推移や期間、水分がとれているか、おしっこが出ているかをわかる範囲で伝えます。受診のきっかけや心配なこともあれば伝えましょう。
○高熱で脳はダメージを受ける?
子どもの発熱は感染症によるものがほとんどです。40度以下の発熱が脳に障害をもたらすことはありません。ただし、髄膜炎や脳炎などによる発熱では脳への影響も考えられます。
~看護師橋本さんからのメッセージ~
熱の高さと病気の重さは関係ありません。熱が高くても元気があって食欲があるときは、一晩様子をみても大丈夫です。夜は高熱でも朝になると下がることがあります。熱だけに固執しすぎず、身体全体の様子に気を配って見守ってあげましょう。
お話を伺ったのは
北九州市立八幡病院 小児救急・小児総合医療センター
小児救急看護認定看護師 橋本 優子 氏
小児救急、小児外来等を経て、現在は小児病棟で0~15歳の子どもたちと温かい笑顔で日々向き合っている。
北九州市立子どもの館にて、月1回子育て勉強会講師も務める。
タグ: 子供の病気, 病気, 赤ちゃんの熱, 出産・子育て