インフルエンザ予防接種を受けていますか? 看護師さんに聞く「子どもの病気対処法」vol.6
2020年02月22日
毎年冬季に流行るインフルエンザ。かかると高熱や全身のだるさがあり、とてもつらいですね。また、一定期間お休みする必要があります。
インフルエンザワクチンについて小児救急看護認定看護師さんに教えていただきました。
●インフルエンザ流行期
季節性インフルエンザは、流行性があり、いったん流行が始まると短期間に多くの人へ感染が拡がります。例年12~3月に流行し、1~3月上旬にピークを迎えます。
そのため12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます。
●ワクチン効果と効果発現まで
インフルエンザワクチン接種には、発症時の体温上昇や症状の悪化を抑える効果が期待できます。肺炎や脳症などの重い合併症の併発予防にもつながります。
ワクチン接種して抗体ができるまで2週間ほどかかり、一度できた抗体による免疫効果は、約5ヶ月間持続します。
ワクチン接種で得られた抗体は、自然感染に比べると作り出される免疫力が弱く、時間が経つにつれて徐々に少なくなっていきますが、一度の接種で複数のインフルエンザウイルスの型に対応いた抗体を得ることができます。
インフルエンザウイルスは、毎年流行する型が変化するため、予防接種は毎年受ける必要があります。
●接種時期と回数
インフルエンザワクチンの接種回数は、以下の通りです。
・生後6ヵ月以上12歳まで(13歳未満):2回
10~11月に1回目を接種し、およそ2~4週間(できれば4週間)あけて2回目を接種すれば、流行期までに免疫をつけることができます。
赤ちゃんや子どもは、免疫力が低く不安定であるため2回接種することにより効果を高めます。
・13歳以上:通常1回
医学的な理由(重い病気をもっている)のため2回接種が必要となることもあります。
●ワクチン接種後は
注射した部分やその周辺に赤みや腫れ、かたくなる、痛み、熱感などの副反応がでることがあります。しばらくは注意してあげましょう。
●卵アレルギーについて
インフルエンザワクチンは、製造過程で鶏卵を使ってウイルスを増殖させるため、微量ですが卵の成分が含まれます。
軽度の卵アレルギーであればワクチン接種可能ですが、重度の卵アレルギーの場合は、ワクチン接種により全身性の強いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)が出るおそれがあります。卵アレルギーがある場合には、かかりつけ医に相談しましょう。
~看護師橋本さんからのメッセージ~
子ども、特に赤ちゃんをインフルエンザ感染から守るためには、家族や周りの大人たちがインフルエンザに感染しないよう予防対策を行うことが重要です。ワクチン接種をはじめとして手洗いやマスクの着用など、感染予防対策を徹底しましょう。インフルエンザ流行時期に人込みに赤ちゃんをなるべく連れて行かないなどの配慮も必要です。
お話を伺ったのは
北九州市立八幡病院 小児救急・小児総合医療センター
小児救急看護認定看護師 橋本 優子 氏
小児救急、小児外来等を経て、現在は小児病棟で0~15歳の子どもたちと温かい笑顔で日々向き合っている。
北九州市立子どもの館にて、月1回子育て勉強会講師も務める。
10月にインフルエンザの心配なんて、まだ早いと感じるかもしれませんが、子どもは免疫がつくまでに時間がかかります。予防接種の開始時期は10月ですが、年によって多少異なります。かかりつけの病院に問い合わせてみましょう。
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