今日は何読む?子供に読みたいおすすめの絵本!テーマ「ともだち」 -絵本のじかん-Vol.2
2020年03月27日
子どもの友だち関係は、ママやパパみんなが心配になるところ。特に、小学校に上がると毎日お迎えに行くわけではなく様子が分かりづらいうえ、「どう?」と聞いても、低学年の子だとまだうまく話せないこともありますよね。
絵本の力を借りて、「こんなお友だちっていいよね」「こんなときどうする?」と、親子でお話ししてみるのもいいかもしれません。
1:『ともだち』(文・谷川俊太郎/絵・和田誠 玉川大学出版部)
<あらすじ>
友だちって、どんな人のことだろう?友だちなら、どうしたらいい?ひとりの時と友だちと一緒の時とでは、どう違う?
さまざまなテーマで、見開きのページに1つずつ、お友だちについての話が続きます。ちょっと長めですが、どのページからも読むことができるので、低学年の子にもおすすめです。
<おすすめポイント>
「ともだちって おかあさんやおとうさんにいえないことも そうだんできるひと」「ともだちって いっしょにかえりたくなるひと」など、谷川俊太郎さんの詩は簡潔で、子どもにも共感しやすいものばかり。大人にも、「そうだったなぁ」と懐かしい気持ちにさせてくれます。和田誠さんのほのぼのとしたイラストも味があります。
後半には「やくそくをやぶられたら どんなきもちかな」と、子どもに友だち付き合いを教えるのに役立つ部分もあるので、もし難しそうならお話ししながら読んであげてください。
また、最後はガラリと雰囲気が変わり、写真をも交えながらちょっと考えさせるテーマも盛り込んでいます。世界にいる、まだ会ったことのない色々な境遇にいる子どもたちもお友だちなんだ、と教えてくれるでしょう。
2:『みずいろのマフラー』(文・くすのき しげのり/絵・松成真理子 童心社)
<あらすじ>
転校生のヨースケは、力は弱いし、走るのも算数も苦手。そんなヨースケに、ついつい嫌な役を押し付けてしまう主人公たち。
ある日のこと、ヨースケにランドセルを持たせているのをヨースケのお母さんに見られてしまい、気まずいまま冬休みに入ります。年賀状でお誕生日会に誘われ、仲直りできると思っていたのですが…。
<おすすめポイント>
ひどいいじめにまで発展しなくても、いつの間にか、力関係ができてしまうことってありますよね。嫌な役をさせられるほうも、いやだと言う勇気がなくて何となくそれを受け入れてしまう…。
でも、毎日友だちと会えることは、当たり前のことではありません。「もし明日友だちに会えなくなっても後悔しない?」「何気なくしていることが、友だちを傷つけたりしていない?」と、考えさせてくれる1冊です。
また、このお話では、お母さんの入院と死という不幸がヨースケを襲います。仲直りの印になるのは、亡くなる前のお母さんが編んでくれた、3人おそろいのマフラー。親子愛の物語として読むこともできます。
3:『かんけり』(作・石川えりこ アリス館)
<あらすじ>
みんなでかんけりをしても、ちえちゃんは缶を蹴るのが怖くて、今まで誰も助けたことがありません。
ある時、仲良しのりえちゃんと一緒に隠れていましたが、他の子を助けに行ったりえちゃんが捕まってしまいます。
困った時、りえちゃんはいつも助けてくれる。なのに、自分は?最後に残った自分がやらないと、りえちゃんを助けられません。「缶を蹴る」、その勇気を振り絞ったちえちゃんは…。
<おすすめポイント>
他愛のない遊びのようでも、普段から引っ込み思案のちえちゃんにとっては、「隠れたところから出て友だちを助ける」ことは、とても難しいこと。
子どもの繊細な心の動きが丁寧に描かれており、葛藤する様子は、モノクロの背景とカラーの主人公の対比で表現されています。ちょっとレトロな絵も魅力的で、缶を蹴るシーンも迫力満点です。
友だちのためなら勇気が出せる、そして、一度勇気が出せたことでその後も少し成長する様子が伝わります。
4:『ともだちや』(作・内田麟太郎、絵・降矢なな 偕成社)
<あらすじ>
「ともだちや」を始めたキツネ。「1時間100円、ともだちはいりませんか」と言って回りますが、なかなかうまくいきません。
クマと一緒に食事をしたけど、クマの大好きなイチゴは、キツネには苦手。
オオカミとトランプをしたけどお代はもらえず、「ともだちから かねをとるのか」と怒られてしまいます。明日もあさっても来ていいと言われ、オオカミは自分の一番の宝物であるミニカーまでくれるのでした。
<おすすめポイント>
『買ってでも友だちが欲しい人、さびしい人がいるはずだ…』きっと、そんなふうに考えていたキツネこそ、友だちがほしかったんですよね。スキップしながら帰るキツネがほほえましく、思わず笑顔になってしまうエンディングです。
「友だちってなんだろう?」というシンプルな問い、コミカルな絵とお話で、小さい子にも詠みやすいと思います。
お話を伺ったのは
西坂靖子さん(えほんや たねぽけっと店主)
元音楽教師。支援学校での指導では、絵本の読み聞かせやパネルシアターを経験し、子どもたちとの触れ合いから絵本の魅力に気づく。退職後、「自分の好きな絵本に囲まれながら、地域の親子が集まる場所がつくれたら」と、自宅を改装して絵本屋をスタート。可愛らしい店内には、自由に読める絵本や、DIYが得意なご主人手作りの家具も並ぶ。
えほんや たねぽけっと
福岡県福岡市東区塩浜1-19-3
TEL:092-608-0857
https://www.tane-poketto.com/
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