「選択理論心理学とは」 選択理論事業所宣言「あしたのつばさ」vol.2
2019年04月05日
北九州市八幡西区で放課後等ディサービスと通信制高等学校サポート校を運営している針池です。
前回から始まったこのコラムは「スタッフ間やその他人間関係に苦しんでいる福祉事業所の管理者」の方に向けて、「あしたのつばさはこうやって信頼関係を築いていますよ~選択理論心理学に基づいた事業所運営の実践~」をテーマとしていこうと考えています。
では今回は、選択理論心理学がどんな特徴を持ったものなのかを紹介したいと思います。
“より良い人間関係を築くための心理学”
アメリカの精神科医ウイリアム・グラッサー博士が発表した心理学が選択理論心理学です。選択理論は、すべての行動は自らの選択であると考える心理学です。行動を選択できるのは自分だけなので、他者に行動を変えることはできません。そのため、問題が発生した時には、相手を受け入れ、交渉することで解決します。その結果良好な人間関係を築くことができます。
この選択理論心理学で学べることとして以下のことが言われています。
① 怒り、落ち込みのような否定的な感情のコントロールをしやすくなる
② 自己受容をしやすくなり、他者に対して批判的な傾向が少なくなる
③ 自分には選択肢や好機が思った以上にあることに気付けるようになる
④ 自ら苦情が少なくなり、苦情に対処する仕方を学べるようになる
⑤ これまでよりもハッピーになり、他の人との関わりが楽になる
(テイクチャージより抜粋)
なぜ私がこの選択理論心理学を事業所の基礎概念としたのか?
それは放課後ディサービスという福祉事業所がチームとして最大限の価値提供や力を発揮していくためには「人間関係が良好なこと」が必須条件であるということを今までの経験から実感したからです。
私自身様々な会社や法人で福祉事業をしてきました。その中で利用者への支援に集中できず人間関係が悪いことにスタッフが振り回されて、本来の力を発揮できない状況を多く見てきました。
私はあしたのつばさという事業所を立ち上げたときに、「最高の人間関係と最高の成果を生み出す」そんな組織を作ることを心に誓いました。スタッフ間が互いに自分の正しさを押し付けるのではなく、他者をコントロールしようと脅したり、罰したり褒美で釣るようなことのない職場環境を築いていくために、この選択理論心理学の教えは非常有効でした。
現在あしたのつばさでは月に1回外部の講師の方にも協力していただき、「選択理論基礎講座」を1年間継続してきています。選択理論の専門用語が職場の中で共通言語にもなっています。
次回はもう少し選択理論の各論についてご紹介したいと考えています。
タグ: 心理学, 子どもの教育