母乳に大事なのは出産後の 1 週間 葉っぱ助産院ようこ先生のおっぱいのはなし
2019年01月22日
「産後1か月過ぎたら母乳が出るようになったという話を聞いたので、ずっと様子をみていましたが、あまりよい状態にならなくて来ました。」
このように、おっぱいの出があまりよくないと思いつつ、どうしようか悩みながら時間が経ち、いよいよ不安になってきて来院される方はとても多いです。大抵の方は、1か月健診までは、と様子をみているようです。
けれども、残念なことに、実は1か月を過ぎると改善がどんどん難しくなってくるのです。
というのも、
1.母乳に関するホルモンレベルは出産直後が一番高く、その後急激に下がっていきます。
2.ホルモンレベルの高いうちにきちんと刺激が入らないと、母乳の出がどんどん悪くなっていきます。
こうした理由から、1か月まで待たない方がいいのです。
では、いつケアをはじめなければいけないのでしょうか?
ホルモンのことをもう少し詳しくお話しします。
母乳に関するホルモンには、2種類あります。「プロラクチン」と「オキシトシン」というホルモンです。
プロラクチンは簡単にいうと「おっぱいをつくるホルモン」、オキシトシンは「作られたおっぱいを外に押し出すホルモン」です。この2つのホルモンが両方しっかり出ることで母乳がたくさんつくられ、出ていくしくみになっています。
まず、プロラクチンというホルモンですが、このホルモンは妊娠中から少しずつ量が増えていき、その量が一番多いのは出産直後です。その後、ホルモンの量は減っていきます。ただ、おっぱいへの刺激が入った時に一時的に量がぐんと増えます。
オキシトシンは普段は出ていませんが、プロラクチンと同じく、おっぱいへの刺激が入った時に一時的にぐんと量が増えます。
問題は、プロラクチンがどれくらいのペースで下がっていくかです。
出産直後にピークだったプロラクチンの量は、実は産後1か月の間に急激に下がってしまいます。そして3か月後には一定のレベルになるのです。
ですので、プロラクチン量が急激に下がるまでの1か月の間に、おっぱいへどんどん刺激を与える必要があるのです。また、1週間おっぱいへの刺激が全くなかっただけで、元のレベルに戻ってしまうこともわかっています。
ということは、いかにはじめの1週間で、おっぱいへの刺激をしっかり入れるかが大切だということをご理解いただけるかと思います。しかも、赤ちゃんが浅く吸っていたりすると、吸わせているにもかかわらず、うまく飲めておらず、刺激がしっかり入っていないことも多いのです。
母乳の出が悪くてお悩みの方は、どうか1か月を待たずに、1日も早く専門的なケアを受けられてくださいね。
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