感謝の気持ちが生命力に ~ドレミファミラ窓~ vol.3
2019年06月26日
ミラ窓として企画・運営をお手伝いしている北九州市立総合農事センターの「NOUJI学園」は4月21日(日)に開講式を開催しました。
開講式には、講演家 腰塚勇人さんを特別講師としてお招きし、「命の授業~ドリー夢メーカーと今を生きる~」をご講演いただきました。「一生、寝たきり」と宣告され、自殺未遂までした中学校の教師が、家族や生徒の応援と、感謝の心により、復活を遂げる奇跡の実話は、HPの動画を観ただけでも涙があふれました。NOUJI学園の立ち上げにあたり、“子どもたち、そしてNOUJI学園に共感してくださった親御さんに伝えたい本当に大切なこと”を想い、スタートはこの方しかいない!と講演依頼をしたのですが、快くお引き受けくださった腰塚さん。実際にお会いして、このあたたかさは尋常でない苦労をされて来られたからに他ならないとも感じる存在感のある方でした。
実は講演会の1カ月前、うちの息子が公園の遊具から落下、頭を強く打って救急車で運ばれる事故がありました。ぐったりして意識が朦朧としている息子、何日たっても食欲がなく、トイレに行くことすらできない息子を病室で見守りながら、「この子に万が一のことがあったら…私はもう頑張れない。未来を考えることなんて無理」と私自身不安でいっぱいな時間を過ごしました。
そんなとき、息子の担任の先生がクラスのお友達からのお見舞いとして、みんなが書いたお手紙を冊子にして持ってきてくれたのでした。まだ「学校に行く」なんて考えられない容態でしたが、息子は静かにみんなの手紙を読んでいました。最後に先生が「みんなにメッセージをもらえるかな?先生が伝えておくよ」と言うと、息子はしばらく考えてこう言ったのです。
「ぜったいに病気を治すぞ!」
私も先生も目頭が熱くなりました。自分を待ってくれている存在がいること…それは強い生命力を引き出すのだと感じました。そのときに、腰塚さんの動画を思い出し、「息子も絶対に大丈夫」「万が一のことがあっても、何があっても、受け止めて息子と頑張ろう」と私自身の気持ちも前向きになれたのでした。
不思議なことに、その日から息子はみるみる元気になりました。食欲も出てきて、自分の意志でちょっとずつ起き上がり、歩くようにもなりました。それまで先生や私が「起き上がってみようよ」「歩いてみようよ」と言っても、「無理、クラクラする…」と言っていた息子が…
生きているだけでありがたい、存在自体が大切な宝物、改めてそう実感することのできたこの出来事がNOUJI学園開講前に、腰塚さんにお会いする前にあったこと、私は偶然とは思えませんでした。息子がまたひとつ、大切なことを再認識させてくれました。
腰塚さんは講演の中で何度も、「ドリー夢メーカー」という言葉を使っていました。それは自分の可能性を信じ、夢を実現しようとする人、誰かの夢を知り応援しようとする人、誰かのありのままの存在を認め、思いやり、寄り添って生きる人のことです。
講演内容のすべてを子どもたちが理解するのは、年齢的に少し難しかったかもしれません。でも子どもたちの心の中に、「ドリー夢メーカー」というキーワードが記憶として残り、いつか思い起こしてくれる時がくれば・・・と感じます。
「助けてって言っていいんだよ」
「自分で自分にOKを出せればいいんだよ。誰かと比べなくてもいい」
「ポジティブじゃなくていいんだ。ありのままでいいんだ」
と教えてくださった腰塚さんとの出会いに感謝し、私自身も息子のドリー夢メーカーに、そして誰かのドリー夢メーカーになれるように、日々私らしく生きていきたいと思います。
そう。自分で自分を認めてあげることが、ドリー夢メーカーへの一歩だから。
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