大切な絵をそのまま残してあげたい コドモノミラエvol.2

コドモノミライエでは、増えていく子どもの絵を「データ化し整理する」「ほんの少しだけ手を加えて魅力的にする」という2つのアプローチで未来に残したいと考えています。

 

私は子どもの絵はデータ化したら、そのものは処分すればよいと考えていましたが、色々なママたちから意見を聞いていると、「大切な子どもの絵を捨てるなんて嫌!全てそのまま残してあげたい」という声がありました。

 

私はその気持ちもとてもよくわかるので、どうしたものかと悩んでいましたが、サイズがバラバラの紙でも製本できるという話を聞き、福岡市南区にある製本教室「1F右」を訪ねました。

 

製本用プレス機

 

優しい笑顔で迎えてくれたのは店長のヒラヤマトモコさん。静かな住宅街の中にある店内には、重厚で使い込まれた製本の機械が並びます。まず目に入ったのは200kgもあるという大きな製本用プレス機。フランスから持ち帰ったものだそうで、お店をオープンさせるにあたり、そのプレス機を置ける床がしっかりした1階の物件を探したそうです。

 

製本教室「1F右」

 

そんな重々しい機械とは対照的に、ふんわりとした優しい雰囲気に包まれたヒラヤマさん。図書館で司書をしていた頃、「古い本や傷ついた本がそのままになっているのを何とかしたい」と思ったことがきっかけで製本に興味を持ち、フランスの製本学校で勉強もされたそうです。

 

ここでは、傷んだ本を仕立て直したり、好みの表紙に改装したり、ノートやアルバムを作る技術が学べます。教室だけでなく、本の修理や受注製作、出張ワークショップも行なっています。

 

ここに製本したい絵を持ち込めば、どのような本にしたいかを話し合いながら好みにあった本に仕上げてくれます。

 

製本

表紙

 

 

紙にはタテ目・ヨコ目があり、製本し開きやすくするには、綴じ方向を揃えなければなりません。また、紙の片面に絵の具で水分を与えた状態の子どもの絵が反り返ってしまうのは当然のこと。そのような条件を考慮しながら、ヒラヤマさんの丁寧な製本は進みます。

 

古くなってしまったアルバムや本も美しくよみがえります。「古いアルバムはさわるとくずれてしまいそうで手にすることもできなかったけど、ここで製本し直してもらって、また眺められるようになって嬉しい」と言ってくれるおばあちゃんもいたそうです。

 

サイズの違うものをまとめたい場合は、革や布などの素材にこだわって作った箱に入れて収納しても素敵。「お気に入りの布や紙も裏打ちすれば使えます。子どもの絵だと、その頃によく着ていたワンピースの布などを表紙に使うこともできますよ」。

 

すっかり話し込んでしまい、午後の生徒さんが来られる時間になったようだったので、私が帰る支度をしていると「少しお時間ありますか?小さなノートを作ってみませんか」と言ってくださり、言われる通りに手を動かすと、あっという間にノートが完成!「うわ〜、かわいい」と思わず声をあげてしまいました。

 

今日では、本は大量生産で機械によって作られるものというイメージですが、本はもともと、1冊1冊手で綴じられていたもの。そんな、すっかり過去になってしまったことに思いが巡った時間でした。

 

文庫本をハードカバーへ仕立て直すワークショップは小学校高学年以上であれば参加でき、人数が集まれば北九州でも開催可能です。普通の文庫本が、自分だけの愛着ある一冊に変わります。ご興味のある方は、ぜひ私までご連絡ください。

これから私も製本を習い、子どもの絵をかわいくまとめるアイデアを探りたいと思っています。

 

 

 

 

<お話を伺ったのは>

製本教室「1F右」

製本教室「1F右」

福岡市南区大楠3-16-3

1fmigi.seihon@gmail.com

092-519-2506

 

 

 

 


タグ: , ライフスタイル
一覧に戻る
天野朋子

コドモノミライエ主宰

天野朋子

兵庫県出身。京都女子大学卒業後、大阪と札幌のデザイン事務所に勤務し、グラフィックデザイナーとして広告制作の経験を積む。2011年より夫の転勤にともない北九州へ。フリーランスでデザインの仕事を続ける傍ら、取材・ライティング業務へと活動の幅を広げている。10才女児と7才男児の母。