英検5級と英検Jr. オススメはどっち? ミラ窓編集部「子どもの教育」vol.2

 

英検5級と英検Jr. 我が子にはどっちがいいの?

日本人の受ける英語試験のなかでもっとも有名なのが「英検」です。みなさんも過去に一度くらいは受けたことがあるのではないでしょうか。
正式名称は「実用英語技能検定」と言いますが、この英検の下位バージョンで子ども向けに「英検ジュニア(本稿では英検Jr.と記す)」というものがあるのをご存じでしょうか?

 

早期英語教育のムードも高まっている昨今、小さなお子さんがいらっしゃる方であれば「英検Jr.」あるいは「英検」は気になる話題なのではと思います。我が子をどちらも受験させてみた親の目線で、以下簡単にレポートいたします。

 

実は結構昔からあった英検Jr.

英検Jr.ができたのは1994年、実は結構昔からあったのです。英検Jr.はこれまで「児童英検」と呼ばれていました。2015年に「英検Jr.」と改名されています。実施運営団体は英検と同じで、公益財団法人日本英語検定協会です。

子ども向けのこの試験ができたのは20年以上も前ですが、徐々に受験者数を伸ばし、今では年間8万人をゆうに超えています。英検5級の年間受験者数が30万人ほどなので、それに比べたら1/3にも満たない数字ではあるのですが、英検5級の受験者がむしろ多いのだとお考えください。その30万人には中学生の団体受験者や、老後の自己啓発で英語のやり直し学習をしている受験者も含みます。純粋に小さな子どもだけに実施している英語試験の規模としては、英検Jr.は十分に大きなものと言えるでしょう。

 

私の娘はインターナショナル幼稚園に通っていました。英検Jr.の受験案内は準受験会場である娘のスクールから来ました。子どもたちの英語力をきちんと「公的に」測定できるものがスクールにはなく、普段のクラス担任による評価などの相対的なものだけだったのが不安だったのもあり、「希望者だけ受験」という実施規模でしたが、思いきって手をあげて受けてみることにしたのです。

 

 

 

英検Jr.はなぜ人気があるの?

ひとつにはずばり、「お手軽さ」が人気の秘密でしょう。保護者にとってのお手軽さではなく、受験者本人にとっての心理的ハードルのことです。
英検Jr. はすべてリスニングを介して行われる試験です。受験者が小学生になってしまえば話は別ですが、幼稚園児の場合は特に認知面での発育が追いつかないので、文字を介した試験は苦手な傾向にあります。子どもの年齢が4,5歳であるなら、英検5級よりも英検Jr.を受験するほうが負担も小さいというのが私の見解です。

 

幼稚園時と言えば、母国語である平仮名ですらスラスラ読むのは難しい時期ですから、英語を読ませるのはさらに難しいことでしょう。せいぜい「cat」は「キャット」と読む、「grape」は「グレイプ」と読むといった、単語1つ1つの認識はできるようになっているのかもしれませんが、一文を自然なスピードで読むのはまったく別のレベルになります。

 

たとえば、英検5級の文法問題で「Do you have an umbrella with you?」なんて一文があったとしましょう。これが、リスニング問題の発話で耳に入って来る分には、発話スピードのまま受験者は理解できるはずです。
対して、文字に起こされた場合には、一文としてスムーズにつなげて読んでいくことができません。多くの幼稚園児が「Do? You? Have? An? Umbrella? With? You?」と1語ずつ区切りながら上げ調子にゆっくり読んでいくのがオチです。自分の口から聞こえる音を聞いて、「あっ! これはDo you have an umbrella with you? って書いてあるんだ!」とようやくわかるのが、幼稚園のうちに英語学習を始めた子にとても多いのです。

 

つまり、早期のうちに英語学習をスタートしていたのであればあるほど、リスニング試験のほうが簡単に感じる傾向にあるのです。幼稚園児向けのいろいろな英語教室のレッスン方法をかんがみても、やはり英検5級よりも英検Jr.のほうが取り組みやすい試験であるように思います。

 

 

英検Jr.には3つの試験レベルがある

さて、ひとくちにリスニング試験だとまとめてしまっては英検Jr. の説明になっていないかもしれませんね。英検Jr.には、「英検Jr.ゴールド」「英検Jr.シルバー」「英検Jr.ブロンズ」の3つが設けられていて、難しいのがゴールド、易しいのがブロンズ、その中間がシルバーということになります。受験料はそれぞれ、税込2,700円、2,500円、2,300円です。(なお英検5級は税込2,500円です。)

 

英検Jr.のいずれかを受けるにあたり、推奨する受験年齢やこれまでの英語学習総時間などは申込時の参考として英語検定協会もウェブサイトで発表していますが、おおむねインターナショナル幼稚園生であれば、K1(キンダー1年)でブロンズ受験、K2(キンダー2年)でシルバー受験、K3(キンダー3年)でゴールド受験というのが一般的なようです。
受験した結果は、合格/不合格では示されません。英検Jr.の場合は「達成率○%」というスコアとして受け取りますので、「受かった!」「落ちた!」というある種のプレッシャーを子どもたちに与えないで済むようになっています。

 

この”達成率で表示する”というのも英検Jr.のポイントで、K1のときにゴールド試験を受けても、半分以上は正解できることも実は珍しくありません。幼稚園の先生の英語による発話に毎日何時間も触れていますから、そこそこできてしまいます。K1でブロンズ、K2でシルバー、K3でゴールドを受けるのが1つの目安ではあるものの、これは達成率が受験者全員とも90%以上となるようにスクールが配慮しているからでしょう。自信とやる気があるなら、ブロンズとシルバーを受けずに、ゴールドにトライしてもまったく問題ありません。

 

 

 

英検5級と英検Jr.ゴールドはどちらが易しいの?

ここは個人差が出やすいところです。結論としてはなんとも言えませんが、学習方法によって、英検5級を簡単だと感じる子もいれば、英検Jr.ゴールドのほうが簡単だと感じる子もいるでしょう。ひとえに学ぶ環境によります。

 

日本人の教師や親がつきっきりで英文法を教えているという環境ならば、英検5級のほうが取り組みやすいでしょう。文法の学習では文字をベースにした学習をおこなうのがふつうです。日本語の、いわゆるインターナショナルではない一般の幼稚園に通う子どもの場合には、実は英検Jr.をとばして英検5級にいきなりチャレンジするケースがわりと多いのです。
私の友人の子どもも、日本語の幼稚園に通いながらくもん式で英語を習い、年長のときに一発で英検5級に合格を果たしました。そのくもん教室では、ほかの年長児受験者たちも含めて5人に3人が受かったそうです。そして、合格した子もしなかった子もみなが一様にリスニングパートの正答率が抜きんでて低かったようです。インターナショナル幼稚園の卒園生が英検5級を小1で受験するときには、ほぼ全員がリスニングパートだけは全問正解するのと好対比です。(代わりに文法パートや並び替え問題に難あり。)

 

このように、鍛えてきたところは得点し、鍛えてこなかったところは得点できない、とうシンプルな結果が見受けられます。そうして最終的には小3あたりで認知が十分に育ったころ、文字ベースに学んできた子も音ベースで学んできた子も、統合されていくものだと思われます。つまり、一文をスラスラとふつうのスピードで読めるようになるということです。(集中的に英語の特訓をおこなえば、当然もっと早くに達成できるようになります。)

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
お子さんが英語を学ぶ頻度、使用アイテム、そして教えてくれる先生のやり方など、複合的に見ていかないと単純に結論は出せないわけですが、それでも私としては英検Jr.のほうに「受けやすさ」の軍配を上げます。幼いうちから合否体験をさせなくてもよいこと、また受験後に結果通知とともに送られてくる表彰状が子ども心をねぎらってくれることなど、幼稚園児にとっては英語学習のモチベーションをうまく保ってくれるよく考えられた試験であるためです。

もし英検Jr.をはじめて知ったという方がいらっしゃいましたら、ぜひ日本英語検定協会のホームページをご覧くださいね。問題サンプルや試験時間などの詳細情報が得られますよ。


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ミラ窓編集部

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