心理学博士 山本ユキコさん インタビュー ミラ窓編集部「出産・子育て」vol.3

 

 

「イライラしていたら頑張りすぎ。自分が幸せだと思える育児を」
毎日の育児の中で、悩み、立ち止まり、さまざまな子育て本などからヒントを得ているママも多いのではないでしょうか。
2018年秋に出版された『子どもが伸びる がんばらない子育て』(フォレスト出版)は漫画が盛り込まれて読みやすく、「裏付けられた研究データもあり、読んでよかった」「お母さんに優しい視点で書かれていて、涙が出た」と話題です。今回、この本の著者で心理学博士の山本ユキコさんにお話を伺いました。

 

(編集部)山本さんは心理学が専門なのですね。
はい。大学時代、文学部で「認知心理学」という基礎的な心理学を専門としていました。主に、言語と運動の関連性の研究です。卒業後も、発達障害者と定型発達者の比較研究などを10年ほど続けていました。

 

(編集部)いつ頃から子育て支援へ活動を移行されたのでしょうか?
自分の出産がきっかけです。
子育てをしていく中で悩むことはよくありました。そういったとき、心理学の研究データと実際の子育ては結びついていくことが多く、すごく役に立ったんです。こういった科学的視点を軸に置いた育児をもっと広めたいと、まずはお母さん向けの教室をはじめました。
それから、保育士や臨床心理士さんなどの専門家向けの教室をメインにしていきました。というのも、家庭内だけでなく、保育園や自治体の教室などで、職員の方がどのように子どもと接していいか、どのようなアドバイスをお母さんたちにしたらいいかと悩んでいることが多いと思ったからです。

 

(編集部)これまでも、育児向けの本を出版されていらっしゃいますよね。
はい、2年前に『出産・育児ママのトリセツ〜「子どもができて妻が別人になりました」』を出版しました。これはパパ向けの本だったのですが、パパの意識を変えるだけでなく、お母さん自身の意識を変えていくことも必要だと感じて、ママ向けにも、と書くことにしたんです。

 

(編集部)本著では、「お母さんは頑張りすぎ」と強調されていらっしゃいますね。
子育て中、イライラすることは誰でもあると思います。ですが、この「イライラ」は育児や家事を頑張りすぎている証拠。授乳のためにと食事制限をしすぎたり、極端に除菌しすぎたりしていませんか?子育ては長期戦です。まずは自分の余裕を持つことが必要です。イライラしていると感じたときは、「自分は頑張りすぎているんだ」と自覚し、まわりへどんどん頼ってもらいたいなと思います。
また、「食べる」「遊ぶ」といった日常生活を大事にしてほしいと思います。早期英才教育など特別なことは必要ありませんよ。
頑張りすぎなお母さんが多いのではと心配しています。母親自身が「幸せだ。楽だな」と感じる育児が、子どもとも笑顔で過ごせるのだということを伝えたいですね。

 

 

 

取材を終えて…
育児や家事での「頑張り度合い」を考えさせられた本著。
第9章の「自分時間でストレスの解消を」では、半年や1年に1回の美容院やマッサージよりも「毎日もしくは週末に、1人でお風呂にゆっくり入る」といった日課での息抜きの方がストレス解消につながるという内容は特に共感しました。また、第10章の「がんばらない働き方」での「産前と同じように働けないのが当たり前」という言葉は、産後が自分の新たな可能性や道を探索できる機会だとも、私自身の背中を押してもらえるような内容でした。
インタビューでは「イライラしたら、頑張りすぎているサインですよ」と優しく諭し、育児を一人で抱え込まないことの大切さを教えてくださった山本さん。
「お母さんにも寄り添った保育をしていきたい」と、2019年4月から、折尾に新設される「キッズ・キッズ保育園」の園長も務められるそうです。

 

 

<お話を伺ったのは>
心理学博士 山本 ユキコ 氏
著書『出産・育児ママのトリセツ』(忘羊社)『赤ちゃんがぐっくり寝てくれる奇跡の7日間プログラム』(あさ出版)『がんばらない子育て』(フォレスト出版)


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ミラ窓編集部

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