子どもが吐いてしまったら？下痢したらどうする？ 護師さんに聞く「子どもの病気対処法」vol.3

2019年04月12日

子どもの体調不良はいつも突然。。

嘔吐したとき、下痢したとき、家庭でできるホームケアを小児救急看護認定看護師さんに教えていただきました。

≪嘔吐≫

嘔吐の原因は、ウイルス、頭を強く打った、腸重積などが考えらえます。子どもの場合、最も多いのはウイルスなどの感染によるものです。

●受診するタイミング

下記症状が1つでもある場合は、早めに受診してください。

かかりつけ医の診療時間外なら救急を受診しましょう。

・目がとろんとしている

・顔色が悪い

・苦しそうな呼吸をしている

・噴水のように吐く

・吐いたものに赤いものが混ざっている

・半日程度おしっこが出ない

・吐く前に頭やお腹を打った

・頭やお腹を激しく痛がる

・激しく泣いたかと思うと、急に泣き止んだり、さらに激しく泣く状態が続く

当てはまる症状が1つもなければ、通常の診療時間にかかりつけ医を受診しましょう。

●心配ない嘔吐

特に赤ちゃんは、飲みすぎたり食べ過ぎたりしたときやゲップが出ないとき、激しく泣いたとき、咳き込んだときなどには、よく吐きます。吐いた後何もなかったようにケロッとしていれば、心配ないので様子をみましょう。

●嘔吐したら

吐いたものが喉に詰まらないように、上体を少し起こして、横向きに寝かせます。

落ち着いたら、うがいをさせましょう。うがいができない子どもの場合は、濡らしたガーゼで口の中や口のまわりを軽く拭いてあげましょう。

初めの2～3時間は何も与えないようにします。脱水にならないように、急いで水分を飲ませようとすると、かえって嘔吐を誘発することがあります。吐くのが落ち着いたら、少量ずつ（スプーン1杯程度）飲ませてみましょう。

≪下痢≫

下痢の原因は、ウイルスや細菌、潰瘍性大腸炎、ストレスなどが考えられます。子どもの場合、下痢の原因も最も多いのはウイルスなどの感染によるものです。

●受診するタイミング

下記症状が1つでもある場合は、早めに受診してください。

かかりつけ医の診療時間外なら救急を受診しましょう。

・血便がでる

・1日5回以上、下痢をする

・38度以上の熱がある

・水分を受けつけない

・活気がなく、ぐったりしている

・意識がもうろうとしている

・目が落ちくぼみ、唇や口の中が乾燥している

・激しいお腹の痛みがある

・半日程度おしっこが出ない

当てはまる症状が1つもなければ、通常の診療時間にかかりつけ医を受診しましょう。

●下痢時の食事

下痢がひどいときは、固形物を避け胃腸を休めることが大切です。

脂っこいものは控え、うんちと同じくらいの柔らかさの食事を与えるようにしましょう。母乳やミルクは欲しがるだけ飲ませて問題ありません。乳製品や炭酸飲料、柑橘系の果汁は避けましょう。

●おしりかぶれを防ぐには

下痢をしていると、おしりがかぶれやすいので、スキンケアをしましょう。

1日1～2回、石けんの泡でやさしく洗い、洗浄後はベビーオイルやワセリンを塗ってあげましょう。膜ができることで、うんちが直接皮膚に触れるのを防ぎます。洗いすぎないこと、こすらないことが大切です。

≪嘔吐、下痢共通≫

●脱水を防ぐ

嘔吐や下痢をしていると、脱水症になりやすいので、水分と塩分の補給を心がけましょう。最適なのは経口補水液（塩分や糖分をバランスよく含む飲料）です。経口補水液は、小腸からの吸収が早く、速やかな効果が期待できます。野菜スープや味噌汁の上澄みなども良いです。

嘔吐の場合は、吐き気がおさまってから、少量ずつ飲めるかどうか確かめて水分補給しましょう。

●感染予防

感染症が疑われる場合、家族への感染を防ぎましょう。

おむつ替えや吐物処理のあとは、よく手を洗います。

吐物や下痢で汚れた衣類は、次亜塩素酸ナトリウム製剤（消毒剤、塩素系漂白剤）に1時間つけ置きした後、別洗いします。

嘔吐や下痢している子どもの入浴は最後にし、タオルなども共有しないようにしましょう。

私自身も子どもの嘔吐や下痢は何度も経験があります。感染症かもしれないと思ったら塩素系漂白剤で洗濯はしていましたが、つけ置きしておらず不十分な感染予防だったなと今となっては思います。正しい知識を身につけ、急な子どもの嘔吐や下痢に備えておきたいものですね。